iPhoneやAndroid端末をお持ちの方は、SiriやGoogleアシスタントなどの音声アシスタントを一度は体験したことがあるのではないでしょうか？これらのアシスタントは、AIを活用した音声認識などのテクノロジーによって成り立っています。

これらプログラムの発足以来、音声認識は成長する一方です。最新のレポートによると、世界の音声認識・スピーチ認識市場は、2022年の94億ドルから2027年には281億ドルに、年間24.4％の伸びで成長すると予想されています。

今や教育の現場でも、このテクノロジーを活用して生徒の力を高めています。今回は、AIを活用した音声認識の概念と、それが言語学習にどのようなメリットをもたらすかについて解説します。

AIを活用した音声認識とは？

AIを活用した音声認識、すなわち自動音声認識（ASR）は、人間の音声を文字に変換するものです。

AIアルゴリズムの一つである自然言語処理（NLP）を用いて、誰が話しているかに関わらず、人間の音声を解析・認識するモデルを構築しています。つまり、パターン、トーン、文脈を理解し、あなたが何を言っているかを正確に認識することができるのです。

ここでは、言語学習の観点から、このテクノロジーのコアな部分をいくつか紹介します：

• 利用者の意見を定期的に学習することで、時間の経過とともに改善していく
• 方言やアクセントに関係なく、音声を正確に識別する
• 音声や口調をもとに話者を分類する
• 会話の意図を汲み取ることができる
• 読みやすく、理解しやすいアウトプットを実現する。

複数の言語入力をもとに構築されたリアルタイム・フィードバック・システムを利用して、学習者がより速く学習できるようにすることです。

発声練習を伴わない言語学習の課題

新しい言語で話すことに対する恐怖心

新しい言語、特に母国語でない言語を学ぶのは不安を感じます。

2021年の調査では、この恐怖心を強く持つ学習者は、学習への取り組みが低下することがわかりました。これは、学習よりも間違いに集中しすぎる教室の雰囲気を恐れるためです。また、批判されたり間違った評価をされたりすることも恐れています。

この恐怖は、回避行動や先延ばしにつながり、結果、失敗率を高めてしまうのです。このことから、学習セッションの充実とポジティブな雰囲気を作ることが必要であることがわかります。

スピーチ練習や学習機会が少ない

「習うより慣れろ」

このことわざは頻繁に聞いてきましたが、特に言語学習になると、「習う」機会が多いのが現状で、もっと多くの「慣れる」機会が必要とされています。

さらに、学習者が必ずしもネイティブスピーカーや流暢なスピーカーに接することができるとは限りません。例えば、2030年までに普遍的な基礎教育を実現するためには、初等教育で2,440万人、中等教育で4,440万人の教員を雇用する必要があります。これは、世界的な教員不足の真っただ中にあることを示しており、言語学習の現場にも影響を及ぼしています。教師が不足しているのに、生徒の数は増える一方です。

スピーチ練習や学習の機会が限られているため、言葉をすぐに身につけることができません。そこで、音声テクノロジーアプリが役に立ちます。

学習中のモチベーション低下

言語学習のプロセスはとても大変であるため、多くの言語学習者が高いモチベーションを保つことができません。これは通常、学習が進まない、適切な教材がない、あるいは学習時間が長すぎる場合に起こります。

また、学習プロセスを一方通行にし、双方向性を持たせない場合にも起こります。2020年の調査では、ゲーミフィケーションは学習者の言語学習に対するモチベーションを高めることが分かっており、現在の一般的な学習方法を見直す必要があることが分かります。

教室で音声読み上げテクノロジーを活用するメリット

短時間で単語の発音を改善

ELSA Speakは、AI音声テクノロジーを採用しているため、様々なエクササイズを通して発音やスピーキングの練習ができます。どのような音を改善する必要があるかなど、間違いを正確に指摘することができるほか、改善に向けた提案も導き出すことができます。

この方法では、リアルタイムでフィードバックが行われるため、学習者は、誰かが直してくれるのを待つのではなく、学習しながら自分の発音を修正することができます。また、リアルな学習体験をすることで、学習に対する恐怖心を軽減することができます。

ELSA Speakは、自分が苦手としている部分を提示し、その部分の改善も促します

教室での利用しやすさ向上 

以前は、障害を持つ学生がこれらの教材にアクセスできないため、言語学習プロセスが利用できない状態でした。教室での音声フィードバックは、この問題を解決します。

ELSA Speakは、通常のペース、またはスローペースでテキストを聞き、さらに入力した内容をもう一度聞くことができるオプションを用意しています。また、単語やフレーズの音声表現を読むこともでき、発音を良くすることができます。

これにより、障害のある学生にとっての壁が取り除かれ、他言語を早く習得することができるようになりました。

ELSA Speakが提供するアクセシビリティ・オプションの一例 【赤枠：聴覚と読書のオプション。ピンク枠： アプリに話しかけたり、入力を聞いたりする】

授業準備もスムーズに！ 

教育関係者は、授業の準備に長い時間をかけ、同じような内容の授業を繰り返し行っています。しかし、ELSAのスピーチ・フィードバック・システムを使えば、そのような状況を回避することができるのです。

ELSAは、ポケットに入る手軽な英会話ガイドとして、学生にとって非常に便利なツールです。また、いつでも好きなときに繰り返し学習ができるため、教室で何度も繰り返す必要はありません。

学習進歩の確認や 不十分な点の把握が容易になる

教師も学生も、多くのものを抱えている傾向があります。そのため、改善点を見つけるための基準点がなく、進捗状況を把握することが難しくなっています。

さらに教師は、ELSAによって作成された学習者一人ひとりに合わせたレポートを参照することにより、1対1の指導に集中することができ、プログラムの効果をより高めることができます。つまり、誰もがこのようなアプリの恩恵を受けることができるのです。

各生徒の進捗レポートを集約したダッシュボードにアクセス可能

教育・語学学習における音声テクノロジーの活用事例

発音・読み書きの評価について

教師は、ELSAのようなAI音声認識アプリを使用して、各生徒の問題のある分野を特定し、評価することができます。これには、以下のような側面があります：

• 流暢さ
• イントネーション
• 発音について
• 言葉の強弱
• インサーション
• 繰り返し
• 置換
• 削除

また、これらのAIを活用した評価では、きめ細かいデータポイントが得られるため、教師は生徒一人ひとりのニーズに合わせた適切なサポートを行うことができます。

生徒の言語理解力向上に貢献する

AIを活用した音声認識により、生徒の理解力の土台を作ることができます。このテクノロジーは、発音と単語を理解する能力を向上させるために音読を促すことで、レッスンをより実践しやすくします。

当社の社内調査では、学習者が音読すると、記憶保持率が30％向上することがわかりました。また、学習者の発音を3ヶ月で90％、言葉の明瞭さを68％向上させることができます。つまり、定期的に声に出して読むことで、その言語の能力を向上させ、読み書きが上手になることに一歩近づくのです。

音声読み上げテクノロジーの力を語学学習に活かす

AIを活用した音声認識は、言語学習プロセスを改善するための大きな可能性を秘めた強力なツールです。教師が生徒にリアルタイムでフィードバックを与えることができ、流暢さと正確さの改善につなげることができます。

インタラクティブな方法で言語学習の指導、監視、評価を行うことができるため、効率的な個別指導により、学習体験を変えることができます。

対話型・会話型学習を始める準備はできていますか？ELSAの学校向け言語ソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。